わーるどいずまいん

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シャカリキ / 曽田正人

 

め組の大吾』『昴』『capeta』など、天才の成長物語を描く天才 曽田正人さんデビュー作『シャカリキ』  自転車ロードレースの金字塔漫画で、名作中の名作漫画です。同ジャンル漫画の『弱虫ペダル』よりもこちらの方が好きだ!!というアラサー読者も多いのではないだろうか?自分もシャカリキの方が断然に好きです!!

この『シャカリキ』という漫画、何が魅力かと言えばロードレーサ達の心情がこの上なくリアルに描かれていることだろう。もっと速く!誰よりも速く!只々その一心で、屈辱的な敗戦しても、選手生命を脅かすケガをしても、どんない過酷なレース状況であっても、「この乗り物がなけりゃ生きてみたいとも思わない!!」という思いでひたすらにペダルをこぎ続ける・・・。そのひたむきな選手達の描写は本当に胸が熱くなります。

物語の主人公のテルは、無口で負けず嫌い。そして、自転車で坂を登ることが誰よりも好きな少年。坂が長ければ長いほど目を輝せ、体がボロボロになってでも、誰よりも速く坂を登りたい!の精神でひたすら自転車で登る。その姿は汗と鼻水で顔がぐしゃぐしゃとなっており、決して美しいとは言えないが、不思議と鳥肌が立つくらいカッコ良くみえる。誰が見ても体力の限界だと思う姿であっても、弱音を吐くどころが加速していくシーンには何度も心が揺さぶられてしまいます。

他の登場人物にもそれぞれ魅力があり、大人が読んでも心にグッとくる名シーンや名言も多かった。

個人的なベストシーンは、物語の最終レース「ツール・ド・おきなわ」の登坂にて、どんなに頑張ってもテルと1mの差がつめることができないテルの所属する自転車部の先輩 鳩村が、叫びながらテルの背中に思わず手を伸ばすシーンが一番印象に残っています。『シャカリキ』のロードレーサ達がどれだけ誰にも負けたくないと強く思っているのか、そのひたむきさが一番滲み出ているシーンではないかと思います。(その後 鳩村に対し、若手審判員が「ぺ、ペナルティ」といいながらホイッスルを吹こうとするのを、鳩村の気持ちを察してかベテラン審判員が首を横に振りながら止めるシーンもグッときます)

この『シャカリキ』心の底から名作だと思えるマンガです。読んだ方々の中には「空前絶後の自転車漫画であるといっても過言ではない!」といった熱い意見もありますので、マンガ好き自転車好きなら是非御一読をおススメします!